財界九州2006年3月号掲載記事紹介 2006.2.12 


医療技術の進歩によりインプラント治療は確立された治療法として認められ、ますます注目が集まっている。当誌2月号では先進のインプラント治療法を紹介したがここでは実際に体験した緒方さんと治療にあたった一柳あゆみ歯科医師に対談していただき、その特長と効果を探ってみた。

一柳 あゆみ
  • 歯科医師
  • 医療法人 恵祐会
    小文字歯科インプラントセンター長
緒方 健一
  • インプラント体験者
  • ロータスサプライ社長

わずらわしい入れ歯 そう快なインプラント
緒方
小文字歯科インプラントセンターで2度のインプラント治療を受けて以来、想像した以上の恩恵を受けています。 最初に治療を受けたのは、8年前ですが、それ以前はブリッジで大変苦労しました。取り外すわずらわしさに加えて、食べかすが残り、外食した時はすぐに歯磨きできないので、虫歯になりやすい。仕事で人と話す機会が多いのですが、見た目も悪いですし、孫が私の口の中をのぞき込んで不思議な顔をしていましたね(笑)。そんな時にインプラント治療があるのを知り、かかりつけの内科の先生に相談して一柳先生を紹介していただいたわけです。ただ、当時は敬遠する人もいたようで、当初はさすがに不安感をもっていました。
一柳
インプラント治療は、普通の歯の治療とは異なり手術を伴うため、以前は医療人の間でも賛否両論がありました。しかし、ここ10年は目覚ましい発展を遂げ、技術水準が飛躍的に向上しています。 最初にお会いした時は、緒方さんの悩みや不安を踏まえながら何を望まれているのかをじっくりお聞きしたうえで、入れ歯とインプラントの利点、欠点をくわしく説明しました。
緒方
その時、私にとって成功するかどうかがいちばんの関心事でしたが、お話の通り、利点と欠点の相違点を比較した一覧表で分かりやすく、手術も納得のいく説明をしていただきましたから、これなら安心して受けられると心が定まりましたね。 
一柳
さて、手術の前には必ずレントゲンやCTスキャンでどのような治療ができるかを十分に診断します。緒方さんの下あごにはインプラントを固定させる十分な骨の量が認められたのですが、上あごの骨は不足していました。骨が不足する場合は移植という方法がありますが、8年前の技術では難点がありましたので、結局、下あごの左右3本づつ、計6本のインプラントをあごの骨に埋めることになりました。

このように治療する本数が多い場合は体に負担がかかるため、静脈内麻酔という麻酔法が有効です。当院は189床のベッドを擁する小文字病院に隣接しており、同病院との提携で手術に必要な設備を十分に活用しました。 
緒方
手術の間は麻酔が効いており、その記憶がないほど眠り込んで目が覚めたら終わっていたという感じでした。
一柳
それから約3ヵ月してインプラントが骨に結合したら、次は上部の歯の土台になる部分(アバットメント)を取り付けます。こうして歯形をとって上部の歯を作って、取り付けて終了です。
緒方
完成後に感じるのは、第一に食事がおいしい。自分の歯を取り戻したように、固い肉やピーナツなど、若いころと同じ状態で思い通りに、しっかりと噛むことができるようになりました。 

ゴルフはフルスイング 人生楽しく、若返る
緒方 
その後7年が経ち、インプラントは十分に機能していましたが、前回治療ができなかった上あご部分、4本分の入れ歯に眼界がきました。再度治療が必要になったのが2004年10月でしたね。
一柳

冒頭でお話ししたように、その間にインプラント治療の技術は大きく進歩しました。骨移植というと大がかりな手術のように聞こえますが、今日では移植する骨が少量なら日帰り手術が可能ですし、このケースのように移植の量が多くても手術できるようになりました。そこで緒方さんに上あごについて「今なら可能です。どうしますか」とお聞きしたら「お願いします」と即座に答えが返ってきました。

緒方

そうでしたね。前回の成功で大きな自信を得て信頼していましたので、実は2度目の治療をかねてから願っていました。むしろこちらからお願いした次第です。

一柳

この2度目の治療は腸骨(腰の骨)からの骨移植を伴ったインプラント手術となり、外科や麻酔に熟練した専門医の応援が必要でしたので、小文字病院と十分な連携を取りました。

緒方

おかげで、2度の治療を通して、想像以上の効果を実感しています。ゴルフが好きでよく行くのですが、歯ががたがたのころは十分に歯を食い縛ることができないので、ドライバーが思い切り振れない。夜は歯がうずきます。ところが、治療後は歯をしっかり食い縛れるし、どんなに振って練習しても夜もまったく影響が出ない。以前の状態がまるでうそのようです。「こんなにいいものはない」と友人たちに教えたくらい、そう快でした。2度目の治療中にオフィシャルが8に下がったのですが、昨年‥‥‥1月に治療が完了すると再び7に戻りました。2月に70歳になりますがハンディが上がるのは珍しいと周囲が驚いています。歯の状態が日常生活におよぼす影響は計り知れません。歯が悪いと老化が早まり、私のように高齢になればなるほど大変苦労します。ところがこの治療によって食欲が増して健康面が改善しますと、精神的にも良くなり、人生そのものが楽しくなってきます。

一柳

インプラントによってがらりと若返り、生き生きとされている例はほかにもたくさんあります。

緒方

そうでしょうね。栄養食品の会社を経営しているのでよく分かるのですが、私は百歳までの人生設計を想定しますと、栄養と運動への投資が必要になると思っています。従って歯の状態を良くすることが不可欠になってきます。インプラントは保険がきかないので、多少費用はかかりますが、快適で楽しい人生がおくれると思えば決して高くはありません。

一柳

大変いいお話ですね。インプラントはすでに医療界でも市民権を獲得しており確立された治療法です。信頼のおける医師と十分に話し合って充実した設備のもとで治療を行えば、きっといい結果が得られると思います。




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